健康食品ハトムギの効用
今密かなブームの健康食品“ハトムギ”の効用
黒木治療院院長 医学博士 黒木睦彦
ハトムギの効用
漢方薬や民間療法に古くから用いられているもので、中国の神農本草経ではこれを
上薬として用いています。
神農本草経という医薬書は、後漢の頃のもので生薬類365種類を掲載しています。

上薬というのはその内120種で、人の生命を養うことが主な作用で、無毒で長期間
服用しても副作用がなく、不老長寿を望む薬であることが記載されています。

薬効を近代用語で説明しますと、利尿、排膿、消炎、鎮痛、滋養薬として用い、浮腫、
皮膚の荒れ、イポ、皮膚の異物を去り、肌を美しくします。
身体の疼痛、リウマチ、神経痛などに応用し、人体の抵抗力を高め、強肝作用を有し、
人癌の潜伏癌に対する抵抗性を高める可能性を持っているといわれています。
また、整腸作用や強精作用などを持つ多目的生薬です。

皮膚の異物を取りのぞく(背中一杯のイポが消えた話)
患者は男子高校生、背中一杯に重なり合うように出来たウイルス性のイポと思われる
もので、薬を求められました。

一応新薬の本を開いて調べたところ、ただひとつ、ハトムギ錠と書いてあり、6ヶ月間
の服用が指示してありました。
他に方法も思いあたらないので、ハトムギの粉末「ヨクイニン末」1日30グラムを適当
に空腹時に分服することにしました。
3ヶ月後全く効果はなく、本人も失望しており、服用を止めそうな気配を感じたので、
6ヶ月間服用を指示してあった事を説得して、服用をつづけて貰うことにしました。

ところが不思議なことがおこりはじめたのです。
4ヶ月半程経過した頃、肌着のシャツが灰色に汚れることを申し出ました。
イポに何か異変が起ったのかそれとも単なる汚れなのか、その時点では分らなかった
のです。
5ヶ月を過ぎ6ヶ月目にかかった頃からイボの色が徐々に灰黒色とも紫色ともつかぬ色
に変色しはじめました。
その後シャツを脱ぐ度に多量にイボがシャツに附着して脱落しはじめました。
そして6ヶ月で実際にイボは完全に消失し、その効果にハトムギの奇効をはじめて信用
したわけです。

その他文献で見る限りではハトムギは皮膚上の異物を去る効果があるらしく、シミ、ソバ
カスにも用いられています。
また、腸内に多発したポリープが全部消失した例も報告されています。
その他ハトムギ酢、ハトムギエキスの内用、ヨクイニン油をクリーム剤にした外用なども
用いられているようです。

抵抗力を強くする(風邪をひかなくなった話)
お風呂から出たらすぐ寝ないと湯ざめする。
洗濯をして手を水でぬらすとすぐ鼻がつまって来る。
雨に濡れたり、風に当たると必ず咽頭が痛くなるという主婦がいました。
体は丈夫そうに見えるのですが、風邪だけには弱く、他の病気はしないのに年に一度は
風邪で寝込んでしまうというのです。

本人の意志でハトムギご飯を食べるようになって2、3年経った今、殆んど風邪をひかな
いし、冬でも以前より薄着になったそうです。

風邪をひくというのは、大体が抵抗力の低下によっておこるものです。
それぞれ同じような条件下におかれて、風邪をひく人とひかない人がいます。
たとえば10名の人を同じ条件下において、風邪の菌、あるいはウイルスを感染させたと
しても全部の人が風邪にかかるわけではありません。
3名が風邪にかかり7名が無事だったとした場合、7名の人はその菌に対して強い抵抗
力を示した結果、このような差が出たわけです。

また、一人をとって考えて見た場合でも、暖かくしていると風邪にかからないが、寒い思
いをすると風邪にかかりやすいというのも、体を冷やすことによって抵抗力が低下しがち
だからです。

ハトムギを食べていて本当に風邪をひかなくなったのであれば、その人にとってハトムギ
は、非特異的な免疫という形で抵抗力を強めたものか、または、体全体の機能を高めて
体力が強くなったのか、とにかく御本人にとっては喜ばしいことで、ハトムギの礼賛者に
なったわけです。


効果満点!ハトムギドリンク
腹部のオデキがハトムギドリンクで消え始め、知人はむくみが治った
東京薬科大学名誉教授 志田 信男
色が変わる正体不明のオデキ
一般に「ハトムギ茶」などとしてよく知られているハトムギには、薬としての側面と食品としての
側面があります。
薬としてのハトムギには、主に次の四つの作用があります。

1.抗腫瘍作用
昔からハトムギはイボ取りの薬として使われており、体の表面や内部にできたイボ状のものを
取る作用があります。
2.鎮痛作用
漢方では、ハトムギをリウマチや神経痛の患者さんに処方します。
3.排膿作用
虫垂炎(盲腸炎)や肺化膿症など、化膿性の病気の膿を体外に排出する作用があります。
4.皮膚の浄化作用
ハトムギは昔から女性の薬ともいわれるほどで、美肌づくりに効果があります。

これらの作用は、体内の水分の流れをよくして、新陳代謝(体内の新旧の物質の入れ替わり
現象)を活発にするという共通点があります。
そのほかハトムギには、筋肉を活性化させる、白血球を増加させるなど、実にさまざまな働き
が認められているのです。
一方、ハトムギの食品としての側面を見てみると、良質の脂質やタンパク質、糖質などがバラ
ンスよく含まれており、すぐれた栄養食品といえます。

このように多彩な薬効を持ち、すぐれた栄養食品であるハトムギの効果は、私自身も体験して
います。

今から20年ほど前、私の右のわき腹で、ちょうどベルトを締めるあたりに、米粒大の茶色っぽ
い、ホクロのようなオデキができました。
最初はあまり気にしていませんでしたが、ベルトとこすれるためか、しだいに皮膚が盛り上がり
大きくなってきたのです。
ここ1、2年は、3×1センチほどの楕円で、最も盛り上がっている部分で3ミリ程度の、なだらか
な丘状になっていました。
このホクロのようなオデキは、とくに痛みもなく、またかゆみもないのですが、日によって色が違
うのです。
しばらく観察してみると、食事の内容によって色が変わる傾向があることがわかりました。
具体的には、魚や野菜を中心とした、いわゆる日本食のときは茶色で、肉類や油ものを多く食べ
たときは、青光りした黒っぼい色になるのです。
いずれにしても、正体不明のこのオデキをそのままにしておくことは、気分のよいことではありま
せん。
そこで、イボに効果があるなら、このオデキにも効果があるのではないかと考えた私は、ハトムギ
をしばらく飲んでみることにしたのです。

私はハトムギ粉を牛乳で溶かし、ハトムギドリンクとして飲むむことにしました。

具体的には、毎朝、カレースプーンに山盛り2杯分のハトムギ粉をコップに入れて、そこに冷たい
牛乳をそそぎ、しばらくおいてからかきまぜます。
牛乳をそそいでからしばらくおくのは、ハトムギ粉がダマにならないための私の工夫です。
さて、このような方法でハトムギドリンクを飲んでいたところ、3ヶ月ほどたったころ、茶色いオデキ
の一部が、色がはげ落ちたようになり、地肌が出てくるようになったのです。まだ
完全になくなったというわけではありませんが、このまま飲み続ければ、近いうちになくなるので
はないかと思っています。

むくみが解消し体が引き締まった
また、こんな例も私の身近にあります。
年に何度か仕事でいっしょになるある女性は、腎臓の機能が弱っていたのか、顔や手足がむくみ
がちで、肌も荒れぎみでした。
ところが、この女性にハトムギドリンクをすすめたところ、3ヶ月ほどして再会したときには、顔がと
てもツヤツヤして、若返ったように感じたのです。
「おっ、美人になったな」が実感でした。
また、むくみも解消されたのか、体全体が引き締まったようにも見えました。

最後に、ハトムギドリンクの基本的な飲み方について説明しておきましょう。
ハトムギ粉は薬局や食料品店などで市販されています。
煎ったものと生のものがありますが、胃腸があまり丈夫でないという人は、消化・吸収のよい煎っ
たハトムギ粉を使うといいでしょう。
そして、30グラムから40グラムを一日にとる適量の限度と考えてください。
ハトムギ粉を溶く場合の牛乳や水の量は、好みでけっこうです。
多ければサラサラした感じに、少なければドロドロして、飲むというより食べる感じになるでしょう。
1日1回でも、2、3回に分けて飲んでもかまいません。

ぜひ参考にしてハトムギドリンクを試してみることをおすすめします。